叢(くさむら)を描きつづけられた画家の杉山章子さんがご往生されました。
ボクの知る限りの章子さんは、自由奔放で大胆で、なんというかいわゆる男気のある方でした。飾らないそのままの方でしたので、おそらく章子さんを知る人はどなたも同じような印象を持っていらっしゃるのではないかと思います。
そういう章子さんが描かれる繊細な叢(くさむら)の絵。
叢(くさむら)は、一方では混沌とした世界です。
人間が求めて止まない権威や秩序とはちがう世界です。
宗祖が"よろづの衆生"と釈された群萌の世界です。
真実功徳と申すは名号なり。一実真如の妙理、円満せるがゆゑに、大宝海にたとへたまふなり。一実真如と申すは無上大涅槃なり。涅槃すなはち法性なり、法性すなはち如来なり。宝海と申すは、よろづの衆生をきらはず、さはりなくへだてず、みちびきたまふを、大海の水のへだてなきにたとへたまへるなり。 一念多念文意
章子さんは、やっぱり阿弥陀さんに照らされた世界が好きだったんだろうなあ。
お通夜、ご葬儀におまいりしながら、ずーっと叢(くさむら)ということを考え、章子さんのあの明るさと強さは、そういうことだったんだろうなあと、ひとり納得したのです。
ありがとうございました。
これからはボクたち叢(くさむら)を照らしてくださいね。
『シリーズ叢(野辺にて) 杉山章子の世界』展 2007/06/16
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