進路
今から25年ほど前のY高校は、1学年4クラスの小さな学校でしたので、ボクは生徒指導部のほかに進路指導部にも所属していました。ある日、進路指導部長のi先生に呼ばれ、次のようなことを言われました。

「進路指導用の冊子の原稿ができあがったので、若い感性で点検してくれませんか。」

進学や就職について現場経験のないボクには、様々なデータを、数値として読むことはできても、本質的な「こどもの進路」のうえにどう生かすのかということは、さっぱりわかりませんでした。

ただ、ボクにもわかることで、違和感を感じたところがありました。冊子の序文、進路について書かれた部分です。

おおよそ次のような内容だったと思います。

『・・・今、しっかりと方向を定めて、真っ直ぐに進むことが大切・・・。云々。』

当たり前のような文章ですが、ボクはその時思いました。

「今、しっかりと方向を定めろっていわれても難しいよなあ。
それに、ちょっと方向まちがっただけでも、真っ直ぐ進むと、行き先ずいぶん違ってしまうし。
グニャグニャ進むんだと思うけどなあ。」

生意気に、ボクはそのとおりのことをi先生に言いました。
i先生は大笑いして、「若いっていいねえ。むにゃむにゃ。」みたいなことおっしゃいました。
i先生は、"むにゃむにゃ"が口癖でした。

よく憶えていませんが、序文はは少し書き換えられたと思います。

覇気のない存在ながら、ボクは、Y高校でけっこういい仕事をしたのではないかと、いまさら振り返っています。

進路_b0029488_22565764.jpg


高校を卒業するとき、誰彼となくノートとかが回ってきて、みんな思い思いのコトを書き合ったりしていました。みんな、どんなこと書いているんだろうと、誰かのノートをペラペラめくっていて見つけた、今でも憶えている文字列。

The Long And Winding Road

ほとんど話をしたことがない物静かなAさんの短い筆記。Theがついていたかどうかは不明。  

「Aさん、ビートルズ聞いてるんかなあ。この先、Long And Winding Roadやよなあ。」としみじみ思った記憶。



直球勝負が好きですが、グニャグニャ行くのもいいですね。

そんなこんなで、"あのころの未来に、ボクらは立っているのかなあ。"



『阿弥陀さまのお慈悲の障りにはならないんです。よかったですね。おめでとうございます。』 

昨日の林双寺真宗講座の宮崎幸枝先生のお話より。








                    【 1年前の今日のblog
                    【 2年前の今日のblog
                    【 3年前の今日のblog
                    【 4年前の今日のblog
                    【 5年前の今日のblog
                    【 6年前の今日のblog
                    【 7年前の今日のblog
by e.wash-r | 2011-10-06 00:01 | 遊びをせんとや生れけむ | Comments(2)
Commented by 空扇 at 2011-10-07 22:09 x
ぐにゃぐにゃと生きてきました。
ヒコーキの設計に関わりたくて名古屋に来ても、「今年はダメ」と言われて関われず。以来、振り返ればいろんな仕事をしてきました。
でも、広い意味で技術屋、というのは変わらず。芸術に転じたり営業に転じたりという才覚は無いので。これって結果として真っ直ぐ?
たぶん、「巡り会った仕事は一生懸命やることが大切」なのだと思います。10年もやったらオーソリティにはならなくてもコーソリティになるくらいにはまじめに。
25年前の感性は正しいのだということに一票。

Commented by e.wash-r at 2011-10-08 16:23
コーソリティ、いい感じのことばですねえ。googleで検索しても、見つかりませんでしたが。

生意気なこと書いて、コーソリティの方からのコメント、恥ずかしい限りです。

若者の感性を受け入れてくださったI先生も、凄いと思っています。

僭越ながら、コーソリティに一票。



空扇さま
<< c寺住職継職法要会係打ち合わせ 美濃四十八座 林雙寺真宗講座 ... >>