今から25年ほど前のY高校は、1学年4クラスの小さな学校でしたので、ボクは生徒指導部のほかに進路指導部にも所属していました。ある日、進路指導部長のi先生に呼ばれ、次のようなことを言われました。
「進路指導用の冊子の原稿ができあがったので、若い感性で点検してくれませんか。」
進学や就職について現場経験のないボクには、様々なデータを、数値として読むことはできても、本質的な「こどもの進路」のうえにどう生かすのかということは、さっぱりわかりませんでした。
ただ、ボクにもわかることで、違和感を感じたところがありました。冊子の序文、進路について書かれた部分です。
おおよそ次のような内容だったと思います。
『・・・今、しっかりと方向を定めて、真っ直ぐに進むことが大切・・・。云々。』
当たり前のような文章ですが、ボクはその時思いました。
「今、しっかりと方向を定めろっていわれても難しいよなあ。
それに、ちょっと方向まちがっただけでも、真っ直ぐ進むと、行き先ずいぶん違ってしまうし。
グニャグニャ進むんだと思うけどなあ。」
生意気に、ボクはそのとおりのことをi先生に言いました。
i先生は大笑いして、「若いっていいねえ。むにゃむにゃ。」みたいなことおっしゃいました。
i先生は、"むにゃむにゃ"が口癖でした。
よく憶えていませんが、序文はは少し書き換えられたと思います。
覇気のない存在ながら、ボクは、Y高校でけっこういい仕事をしたのではないかと、いまさら振り返っています。
高校を卒業するとき、誰彼となくノートとかが回ってきて、みんな思い思いのコトを書き合ったりしていました。みんな、どんなこと書いているんだろうと、誰かのノートをペラペラめくっていて見つけた、今でも憶えている文字列。
The Long And Winding Road
ほとんど話をしたことがない物静かなAさんの短い筆記。Theがついていたかどうかは不明。
「Aさん、ビートルズ聞いてるんかなあ。この先、Long And Winding Roadやよなあ。」としみじみ思った記憶。
直球勝負が好きですが、グニャグニャ行くのもいいですね。
そんなこんなで、"あのころの未来に、ボクらは立っているのかなあ。"
『阿弥陀さまのお慈悲の障りにはならないんです。よかったですね。おめでとうございます。』
昨日の林双寺真宗講座の宮崎幸枝先生のお話より。
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