Eと行く夏の海。
柳ヶ瀬隧道
小さな漁港
小さな島と小さな湾
八草峠を越え、滋賀へ。滋賀からは北国街道を走り、福井へ。
巷では、いわゆる心霊スポットと言われる、滋賀・福井県境の柳ヶ瀬隧道を抜ける。以前、自称「感じるタイプ」だという友人Aの友だちの友だちが、この隧道の中で「感じる、寒い。」といって震えだしたことがあった。
柳ヶ瀬隧道は、旧北陸本線の廃軌道が車道になったものだ。明治時代にできた、車がようよう一台通ることができるほどに狭く、出口が見ないほど長くて勾配のある古い隧道は、暗く湿度が高く寒い。彼女が何を感じていたのかわからないが、ボクもいつも「寒いと感じる」。
この隧道の暗さと寒さを通り抜けることは、ボクたちにとっては海へ行く儀式のようなものだ。
いつもの海へ。真夏とは思えないほど爽やかな乾いた風が吹く一日。ただ戯れる。
無理をしなくなった。
海の中にいるとき以外は、激ヤセしたEと話し続けた。30年で変わったこと、変わらないことの深淵。相変わらずボクは享楽的で、Eは哲学的だ。いつもながら、Eの貫徹した美学に感心する。
数日来の豪雨で濁っていた海が、たった半日できれいになっていった。
濁りが消えたわけではない。きれいな沖の潮と入れ替わったのだ。濁りが沖へ押し出されていく様がはっきりと見えた。
濁りは、やがて沖で海に溶けこんでいくのだと思った。
凡聖逆謗斉回入 凡聖・逆謗ひとしく回入すれば
如衆水入海一味 衆水、海に入りて一味なるが如し
Tumblr 『西蔵防だよん』
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