積極的平和主義
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政府は「積極的平和主義」を標榜しています。そんななか、世界はますます混沌へと向かっているような気がします。

「積極的平和主義」を、首相は「proactive contribution to peace」と英訳しました。

「proactive」と言う語は邦訳が難しい言葉のようで、「積極的に促す。事前に対策を講じる。先を見越した。事前に行動を起こした。」等に訳されています。ここで言う「事前に」の事、「先を見越す」の先は平和でない状態なので、「混沌」と言い換えてもいいと思います。

英訳から言うと、「積極的平和主義」は、「混沌」とする前に「平和」への「貢献」をするという意味のようです。


「平和」と「混沌」という対義語も、それぞれに定義が難しいことばです。

例えば、ボクたちが考える「平和」が、例えばイスラム世界の「平和」とは限りません。例えば、ボクたちが感じるイスラム世界の「混沌」は、イスラム世界では「混沌」ではないのかもしれません。

いつも思うことですが、「平和」は倫理的なものです。倫理は「倫(なかま)の理(きまり)」なので、同属内で通用する決まりごとという性格があります。同属外の存在を前提としているのです。多少大げさに言えば、「日本の平和」は他国の平和を侵す可能性を秘めているということです。「平和」を「正義」に置き換えるともっと実感できるかもしれません。

求める「平和」、もしくは主張する「正義」が複数存在すれば、それはたぶん「混沌」なのです。


翻って、「自信教人信」ということ。「おせっかい平和主義」「傲慢な平和主義」に陥らないように気をつけたいと思います。





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by e.wash-r | 2015-01-26 16:32 | そらごと、たはごと | Comments(0)
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