大雪である。
雪の下には、一面の銀杏の葉がある。
雪かきのあとには、濡れた落ち葉が待っている。
逃げ場がない。
「白道」はどこ?
すべて雪の中である。
ようよう現れた参道の階段もすぐ雪に埋もれた。
当地は雪は降っても、雪国ではないことがわかった。
ただ、今は雪国である。
60~70㎝はある。
朝、なめらかに降り積もった雪は美しいと思う。
雪は美しい。
外に出て、一瞬はそう思った。
銅板葺きの本堂の雪はすぐ落ちる。
2メートル以上になった。
細く切り割ってあった入り口は、跡形もない。
こどもですら途方に暮れているよう。
「冬休みのお手伝いは雪かきにした!」
昨日、はつらつと言った娘のことば。
動けなくなった父母に代わって、ひとり本堂への道を進む。
宣言してしまったんだから仕方がない。
雪はこどもを活性化させる。
楽しそうにいさんでともだちの家へ。
どう見ても、ラッセルである。
オトナのラッセルは、普通、ツライ思い出でだ。
たんぼ道の長い雪かきは、体力の限界だった。
久しぶりに近所の人たちと話す。
みんな、「こんな雪ははじめて。」
数時間の雪かきの後、いざ、お取り越し。
スタックした2台の車を救出した。
1台は深い雪で動けなくなったゴツイ四輪駆動車。
市街への道は、4本の黒い轍ができていた。
3本のところは、1本は共有、妙に緊張する。
雪は、楽しむ余裕がないほど、降り続いている。
ニュースのアナウンサーが、『雪が断続的に降り続いています。』と言った。
気持ちはわかるが、ちょっとややこしい。
雪は、"降っても降っても、まだ降り止まぬ"のです。