『一瞬の夏』をさがしに
巡りあうということがあります。
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「逃亡の道」という紀行文を読みました。
インドへと亡命したダライ・ラマ14世が歩いた、ヒマラヤを越える苦悩と葛藤の道程をたどるルポです。

冒頭の、「"置き去りにされた街ラサ"で、"見せ物のように観光ルートに組み込まれ"た、"半世紀近くもの間、主人が戻らない"ポタラ宮の寝室」という記述に、チベットの今の姿が如実に示されています。

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「逃亡の道」が掲載された『coyote』という雑誌には、もうひとつ興味深い記事がありました。
「カシアス内藤、ジムができるまでの長い旅」(沢木耕太郎)


1976年、沢木耕太郎が、ボクサー・カシアス内藤を描いた「クレイになれなかった男」は、『敗れざる者たち』という単行本になり、高校生だったボクは、少なからずその影響を受けました。続編とも言える『一瞬の夏』は、そのカシアス内藤の再起を描くノンフィクションです。

『一瞬の夏』から20年、「E&Jカシアスボクシング・ジム」が誕生したそうです。
引退したカシアス内藤、本名・内藤純一さん主宰の念願のジムです。
その開設までの記録が、「カシアス内藤、ジムができるまでの長い旅」というルポなのです。

『一瞬の夏』をさがしに、本屋さんへ。
偶然そこで、法衣姿のMさんに、数年ぶりに会いました。書架の前で、ドストエフスキーから、信心、妙好人にいたるまで、2時間くらい熱い話を聞かせてもらいました。
「若い頃読んだ本を、今の感性で読み直す作業をしている・・・」
そう言って、Mさんは、確実に過ぎていく時間の大切さを、繰り返し教えてくださいました。

「カシアス内藤、ジムができるまでの長い旅」の中の、"夢と義務"と題された沢木耕太郎の一文。


そして、いま、できあがったジムを見て考える。
果たしてこれは「夢」だったのだろうか、「義務」だったのだろうかと。




『一瞬の夏』が見つからなかったので、『敗れざる者たち』を再読することにしました。


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◆追記 5/14 0:58

5月14日のNHK「サンデースポーツ」で、カシアスジムとプロテストを受検した練習生たちの物語が放送されます。
ぜひご覧ください。
 
 【サンデースポーツ】
 特集『“一瞬の夏”をもう一度』
 作家・沢木耕太郎さんのノンフィクション『一瞬の夏』。
 そのモデルとなった元・ボクサーのカシアス内藤さんが作った
 ボクシングジムに集う若者たちが初めてプロテストに挑戦します。
 『一瞬の夏』に続く男たちの戦いの物語です。
 
 NHK総合テレビ 5月14日(日)21:50~22:49 (放送時間は変更になる場合があります)
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 よ う こ そ 『 西 蔵 坊 だ よ り 』 へ

『一瞬の夏』をさがしに_b0029488_22514638.gif『西蔵坊だより』は、 森鏡山 正蓮寺の住職の日記です。
仏教のこと、山や川や海のこと、TIBETのこと等、思いつくまま書いています。
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                    『西蔵坊だより』TopPage

by e.wash-r | 2006-05-14 00:18 | 溺レル | Comments(2)
Commented by sagapoint at 2006-05-14 22:51 x
紹介いただいた 一瞬の夏 見ました。
今 なんですね。今 今 感動しました
 また 感動的なもの 教えてください。
Commented by e.wash-r at 2006-05-15 02:14
"今"なんですね。

『“一瞬の夏”をもう一度』、紹介しておきながら、見れませんでした。
よろしければ、感動の内容、知りたいです。
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