過日、「地獄のDECEMBER」という朗読劇を観てきました。
躊躇しましたが、F師に誘われ、"たまにはいいかな"という感じで市民文化センターへ。
いわゆる「南京大虐殺」を題材に、"人間の罪"を吐露する内容でした。加害者の家族としての苦悩がメインテーマだったのかな?何か釈然としない思いで観ていました。
そもそも重い内容なので、楽しむということは期待していませんでしたが、ずっと感じていた不快感は、ラストの『地獄は一定すみかぞかし』とういうセリフでピークに達しました。
あえて批判したいと思います。
この劇の構成においては、『南京大虐殺』も『戦争責任』も『罪深い人間』も『歎異抄のご文』も、ただ"材料"でした。作品、もしくは作者の意図のための材料なのです。
それらの"材料"は、一見、我が罪をあがなうようにちりばめられていましたが、ボクは、そこに体よく誇示された"苦悩する我が良心"、または"我が正義"を感じたのだと思います。そういうものを作品として観たいとは思いません。
戦争とは何か。
人間の罪、残虐性。
責任と言うこと。
いずれも、主体的に、科学的に、そして、なにより丁寧に考えることだと思います。
それと、もうひとつどうしても気になったこと。
『歎異抄』第2章の『地獄は一定すみかぞかし』というご文は、『救い』にであった宗祖のおことばです。我が罪業を信奉し嘆く、苦悩する良心の叫びではありません。
作者に『救い』を感じることができなかったことが残念でした。
書かなくてもいい事を書いてしまったのかも知れません。
ちょっとひねくれています。ご容赦を。
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『西蔵坊だより』は、 森鏡山 正蓮寺の住職の日記です。
仏教のこと、山や川や海のこと、TIBETのこと等、思いつくまま書いています。
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