2005年 07月 24日 ( 1 )
ゾウムシ  -しずけき歩み 象に似て?-

金色の身、浄くして、山王のごとし。
奢摩他の行は、象の歩むがごとし。
両目の浄きこと、青蓮華のごとし。
ゆゑにわれ、弥陀尊を頂礼したてまつる。        『十二礼』

龍樹菩薩が浄土往生を願って、阿弥陀仏を礼拝賛嘆された十二の偈誦のうちの第二の偈文です。

偈文中、
『山王』とは、須弥山のこと。
『奢摩他』とは、散乱した心を離れ、思いを止めて心が寂静になった状態のこと。

この十二の偈誦を『十二礼(じゅうにらい)』と言い習わし、『らいはいのうた』は、その意訳のおつとめです。

『らいはいのうた』では、第二の偈文は、次のように意訳されています。

けだかき姿 須弥のごと
しずけき歩み 象に似て
やさしきまなこ 澄みとおる           
阿弥陀ほとけをおがまなん                 『らいはいのうた』


さて、象について。

お釈迦様のお生まれのなった国で、象は、野生に、あるいは人々の暮らしの中に、神聖な動物として生きていました。実物を見たことがなくても、象の姿を、誰もが知っていたことでしょう。では、象のことをまったく知らない日本ではどうだったか。ココからは、想像の話です。

「ゾウムシ」といわれる虫が何種類もいます。例えば、田舎の人なら、米に湧いたコクゾウムシを知らない人はいないのでは・・・。

ゾウムシの名は、おそらく、鼻の長い象の姿に似ていることからついたものでしょう。日本では、全体像はともかくとして、象は鼻の長い生き物として認識されていたと言うことになります。
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ムカデ、尺取り虫に続いて、今度は部屋の中に、ゾウムシが入ってきました。コクゾウムシと比べると、かなり大きなゾウムシです。鼻みたいなものは確かに象に似ていますが、その動きに、象のような『しずけき歩み』を感じることはできません。

あきらかに全体を見るということの難しさを感じます。
「象はどんな生き物か」ということを題材にした説話があります。ゾウムシを見ながら、あらためて納得しました。

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by e.wash-r | 2005-07-24 21:57 | そらごと、たはごと | Comments(0)