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キツネの死体をめぐって
b0029488_1595592.jpg冬の寒い夜、キツネはほんとうに「コーン。」と鳴きます。ごくまれに、拙寺にも、遠く聞こえてくるその鳴き声は、冷たい空気を切り裂くような、とてもきれいで澄んだ張りのあるものです。

「キツネとおぼしき死体発見。」と、blog素材に苦しむボクを見越して、S師より深夜のmail。しかも、ピンポイントの地図付き。
翌朝、早速、早めにお寺を出て、おまいりの途中に地図の場所へ。

『スタンドバイミー』ごっこみたいなもんです。

おそらく事故にあったのでしょう、頭がつぶれたキツネの死体が、まっすぐな農道のガードレールの下で仰向けになっていました。ボクがよくキツネを見かける場所の近くです。たぶん、今までに何度も出会っていたのだろうと思います。

死と、保証されない生は、すべての生きものに平等です。
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写真に撮って、そのままおまいりに向かったのですが、死体をそのままにしておいたのが、どうしても気になりました。

さっき、坊守とこどもたちを誘って、キツネの死体をガードレールの下からひっぱりだして、近くの山のすそに運び、草むらに置いてきました。雨が降っていたし、死体は思ったより重く、大きく、もう腐乱が始まっていたので、けっこう難儀なことでした。夜の11時すぎ、雨の中、カッパを着て、キツネの死体を運ぶ家族というのは、かなり怪しい雰囲気だっただろうと想像します。

憑かれたという訳でもないでしょうが、あのキツネへの思い入れは何なんだったんだろうと思ってしまいます。

間違いなく、この先何度でも、アスファルトの上の死体に出会うことでしょう。でも、避けたり目をそらせることはあっても、たぶん、もう土や草の上まで運んだりすることはないんじゃないだろうか、そう思います。

ボクたちがすることは、おおよそ「気分次第」としか言いようのないことがほとんどです。でもそれはそれでいいもんだと思うのですが・・・。
by e.wash-r | 2004-10-31 00:06 | 遊びをせんとや生れけむ | Comments(2)
精進料理   -祖母の月命日の「おじょうはん」-
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毎月29日は、祖母の月命日ということで、大性寺のご縁さんがおまいりにみえます。

月忌まいり、月まいり、お逮夜まいり等、呼び方は地方によっていろいろあるようで、岐阜近辺では「おじょうはん」と呼び習わしています。どんな字を書くのか、どんな意味があるのか、ご存じの方がありましたら、教えていただきたいと思います。

今日は9時にご縁さんがみえたので、前住職、前坊守、坊守、ボクの4人でおまいりです。(坊守が写っていないのは、不謹慎?にも勤行中に写真を撮っているからです。)さすがに、休ませる訳にもいかず、こどもは学校へ行きました。

我が家では、「おじょうはん」の日は、お精進と決まっていました。でも、今は、精進ではありません。今日の昼もカレーを食べました。

なぜ精進なのか、と問われても答えを持ちません。でも、なし崩しにしてしまった上であらためて思うことは、やはり、精進にしてもいいのではということです。

意志薄弱につき、ここで宣言して流れを変えようと思うのですが、「おじょうはん」の日のお精進を復活したいと思います。精進をすることの意味は、精進をしたとき、そして、できなかったときに、少しは見えてくると思います。

とりあえず、来月からということで、今晩はパス。得意の先送り作戦でいきます。
by e.wash-r | 2004-10-30 01:49 | そらごと、たはごと | Comments(0)
行方不明の古い写真
捜している古い写真があります。それは、今から70年ほど前、戦争が始まるほんのわずか前の頃のものです。

農繁期、まだ、農作業を手伝うことのできないこどもは、お寺にあずけられました。お寺は、保育所か託児所のようだったということです。

年配の方のの話しでは、当時、境内でこどもがそろって写った写真があるらしいのです。Mさんによると、その写真には、今は重要な役職を歴任していらっしゃる『Hちゃんが、着物の裾からオチ○チ○をチョロンと出して写っとるんや。』そうです。

なんとしても、探し出さなくてはと思っています。
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Sさんちのお母さんに頼まれ、短い時間ですが、お坊っちゃまくんとお嬢ちゃまちゃんをお預かりしました。うちの子が、境内で一緒に遊んでお世話をしたようです。

Rくん・Yちゃん、境内で遊んだことをいい思い出にして、今度はおまいりに、そしてお聴聞に来てください。今から70年前、境内で遊んでいたこどもが、おじいちゃん・おばあちゃんになって、今も、お寺に通っていらっしゃるように。
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                      みんなほとけの子
by e.wash-r | 2004-10-29 01:11 | Photo only | Comments(0)
ムカゴご飯    -自然薯は自然生-
雑木林が少し色づきはじめました。最初に黄色くなるのは、自然薯(じねんじょ)の蔓です。
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こどもの頃はよく、この自然薯のムカゴを採りました。この時期、近くの山を少し歩けば、あっという間に、ありとあらゆるポケットがムカゴでいっぱいになりました。秋の日課でした。

世間では、ムカゴご飯というと、このムカゴを炊き込んだご飯のことをいうようです。

でも、ボクにとっては、醤油と砂糖で甘辛く煮込んだムカゴを、煮汁と一緒にご飯にかけたものが、ムカゴご飯です。煮た後、時間が経ったもののほうが、味がよくしみていて、おいしいです。ムカゴからでた粘りけも何ともいえません。

おまいりの途中、色づいた自然薯の蔓を何本も見たので、もうそんな時期かと思って、今日、近くの山を見てきました。ムカゴ採りをしてもよかったのですが、ふと、今年のムカゴは熊の取り分かなと思い、採るのはやめました。(そんな気分にさせる何かがあるんです。)
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ちなみに、栽培される山芋に対し、野生のものを「自然薯」というそうです。「自然生」が本来の表記で、それが転じて、「自然薯」となったらしいです。

「しぜん」と読まず「じねん」と読むところが、何ともいい感じです。
by e.wash-r | 2004-10-28 01:26 | 遊びをせんとや生れけむ | Comments(2)
濃尾震災を越えて
当地は、1891年(明治24年)10月28日に起きた国内最大級といわれる(想定M8以上)の濃尾地震の震源・根尾谷断層上にあります。村の約80戸の家屋のうち、倒壊しなかったのはたった1戸だけ、当寺も全伽藍が倒壊しております。

きのうは、やはり村内すべてが倒壊したといわれる、山崎地区の5件のご門徒のお取り越しのおまいりに行ってきました。
どなたも、今回の地震のの被災地の方々のことを大変心配していらっしゃいました。

人々のたくましさ、あたたかさを痛感します。
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帰り道、最後におまいりしたSさんの家から、ほんの300mほどのところにある超切断層涯から村の様子を眺めてきました。雨のなか、収穫の終わった村は、100年前の惨状を想像することができないほど静かでした。
by e.wash-r | 2004-10-27 07:28 | Photo only | Comments(0)
そして僕は途方に暮れる
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もうすぐ雨のハイウェイ 
輝いた季節は 君の瞳に 何をうつすのか
今から20年前の1985年、カップヌードルのCMソングとして流れたこのフレーズを、ボクは、かわいらしいこどもたちの映像と一緒によく覚えています。

最近、妹の車の中で聴いたその曲、『そして僕は途方に暮れる』(詞:銀色夏生 曲:大沢誉志幸)が頭から離れません。今、あらためて聴きなおしてみて、あの20年前の明るく躍動的なCMのイメージとは、あまりにも異質な曲であることに驚いてしまいます。

見慣れない服を着た 君が今出ていった
髪形を整え テーブルの上もそのままに
去ってゆくものと残されたもの、実に切ない歌です。
でも、次のフレーズには、ただそれだけにとどまらない深遠なものを感じます。

ひとつのこらず 君を悲しませないものを
君の世界のすべてに すればいい

そして僕は 途方に暮れる
人と人とが関わり合って生きてゆくなかで、「自由とか民主主義って何なんだろう。」と、考え込んでしまうのです。
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カップヌードルにお湯をそそぎ、できあがるまでの3分間は、混沌とした世界の有様を静かに思惟し、途方に暮れるのにちょうどいい時間かも知れません。でも、それは3分で充分。熱いうちにおいしくいただいて、あとは、お念仏と試行錯誤の行動・・・かな。

◇日本の歌の歌詞やコード譜は、J-Total Musicでけっこう調べられます。
by e.wash-r | 2004-10-26 00:11 | そらごと、たはごと | Comments(0)
ワンパターン  -繰り返す勇気?!-
Kさんの法事、いつもの通り、縁側から仏間へ。そこには、つい最近、他家の法事でお目にかかったばかりの佐賀地区のご門徒の方々が、そろっておまいりでした。

佐賀というところは、都市化の波にさらされながらも、昔からの習慣を大切に引き継いでいらっしゃるところです。公民館に阿弥陀さまがご安置してあり、年に2回の永代経と報恩講の法座が、村の人たちによっておつとめされています。また、各家庭のお仏事にも、村のうちのいわゆる親戚づきあいの方々がそろっておまいりされるのです。有り難いことなのですが、ほぼ同じメンバーでのご法事がつづくと、正直、ご法話のお取り次ぎに困ります。

さて、三部経のおつとめをはじめたものの、頭の中は、お取り次ぎをどうしようかということが巡り巡っていました。考えてみれば、ご法義のことを考えながら、お経を読んでいる訳ですから、少しは自慢してもいいことなのかなとも思いますが、動機が実に不純です。

ひとつことを聞きて、いつもめづらしく初めたるやうに、信のうへにはあるべきなり。ただ珍しきことをききたく思ふなり。ひとつことをいくたび聴聞申すとも、めづらしく初めたるやうにあるべきなり。 -蓮如上人聞書-
言い訳のように、蓮如上人のことばをお伝えし、つい先日お取り次ぎしたことを繰り返しお伝えしたのでした。思い起こしてみると、前回も、全く同じパターンだったような・・・。
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Photo:寺の法座も、村の仏事も、いつもそろっておまいりされる愛すべきおばちゃんたち。
     携帯でメールを読むふりをして盗撮?しました。いつか堂々とキレイに撮るからネ。
by e.wash-r | 2004-10-25 00:21 | おまいりにて | Comments(0)
北アルプス・スゴ乗越の熊 
b0029488_23265938.jpg岐阜市椿洞で小熊が捕まりました。我が家から、山をひとつ隔てて、直線距離でおよそ3Kmほどのところです。

「親熊がまだ見つかっていないので、注意するように!」
と、娘は、学校で指導されたそうですが、どうすればいいのかは、かなり難問です。


ずいぶん昔、立山から槍ヶ岳までを、一週間くらいかけて縦走しました。夏の終わりということもあり、ほとんど人に出逢いませんでしたが、たまたま、ザラ峠ですれ違った人が、
「スゴ乗越は熊がでるから気をつけて。」
と言ったのです。スゴ乗越は、立山と薬師岳の間にあり、北アルプスの中でも最深部にあたります。

スゴ乗越の野営指定地に着いたのは、夕方、他には誰もいません。近辺を一回りした後、ゴミ処理用に掘った大きな穴のそばに、テントを張ることにしました。その時は一応、夜、熊がゴミをアサリに出てくることを予想し、そっと覗いてやろうと考えたのでした。

食事を作った後、あっという間に寝てしまったのだと思います。そして、熊のハアハアという息づかいで目が覚めました。
テントの薄いリップストップナイロンの生地を隔てて、ほんの数十センチか数メートルのところに熊がいる、これは、当初は望んだ状況だったはずでしたが、現実は、身動きできないほどただ怖かっただけです。寸分も動かず、と言うより硬直して動けず、5分なのか1時間なのかわからない時間を恐怖の中で過ごしました。

翌朝、山小屋へとつづく登山道に、ヘリコプターで運搬するように金網に梱包した空き缶の塊りが転がっていました。また熊がわるさをしたと、山小屋の方が、笑って言っていましたが、ボクは、笑えませんでした。
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写真は、小熊が捕まった椿洞。いつも、おまいりの時通る場所です。懲りもせず、どこかで黒いものが動かないかなあと思いながら、日々、車を走らせています。
by e.wash-r | 2004-10-24 00:11 | 遊びをせんとや生れけむ | Comments(0)
師走の愛妻弁当  -いつだって男女共同参画-
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正午過ぎ、正尊寺・S師より電話、「今、ヒマ?」。
何か楽しいお誘いかと思い、ちょっと期待しましたが・・・。

S師は、拙寺の近辺のご門徒さんのお取越しに奔走してみえる最中でした。5分後、弁当持参のS師が来寺。午前のお取越しが順調にすすみ、僅かな余裕ができたそうで、ちょっと、寄ってくださったのです。

持参の弁当を食べられるS師と、庫裡で歓談しつつ、坊守さん手作りの弁当のスタイルに、驚いたというか、感動しました。おまいりの途中、車の中で走りながらでも食べられるように、食べやすいものが食べやすく盛りつけられているのです。

寸暇を惜しんでおまいりされるご住職とそれを支えられる坊守さん、どの世界でも見られる姿とはいえ、カッコよすぎると思ってしまいました。

そもそも、お寺は「いつだって男女共同参画」です。いわゆる正当派「期間限定男女共同参画」を推進する方々から、お叱りを受けそうですが・・・。

午後1寺、S師はたばこを1本すって、午後のおまいりにダッシュしていかれました。師走まで、ボクたち僧侶には、厳しい時がつづきます。かれた声で、絞り出すように「だって、楽しいじゃん。」といえるまで、あとたったの?2ヶ月!。

ご持参の弁当を撮りぞこなったのが無念。
by e.wash-r | 2004-10-23 07:11 | ようこそ正蓮寺へ | Comments(2)
リンクです
ご紹介します。


b0029488_1143071.gif 浄土真宗本願寺派 正尊寺 HP
  ボクが師と仰ぐご縁さんのお寺です。
  ご住職は、「だって、楽しいじゃん。」が口癖。



b0029488_11211396.jpg  帰雲小舎 HP
  荘川・御母衣湖畔にみんなで作った丸太小屋です。
  春夏秋冬、いいところです。



b0029488_154389.jpg  住職つれづれ日記
  福岡の西端、玄界灘に面した海徳寺ご住職のWeblog。
  ただただ感服。お寺のHPもあります。 『海徳寺 HP』 



b0029488_21544986.gif何で何でナモなの 妙念寺HP
真宗寺院HPの草分け。10年以上続く電話法話は600話を越えています。お聖教等も充実しています。スゴイです。


b0029488_22314870.jpgリバーリバイバル研究所
フォト・エコロジスト、ニイムラさんのblog。
フィールドは世界各地、水面下50mから標高4000mまでをカバー。


b0029488_23421164.jpg林双寺 GOGO!林雙寺若院・林雙寺治療院長のblog。
身体と世間のトラブルは、おまかせ。
日曜学校が生き生きしています。


b0029488_17452695.gif浄明精舎
浄明寺・Y&Yさんの夫婦円満、蘊蓄いっぱい、安らぎblog。
ほのぼの楽しませてもらいましょう。


b0029488_0485419.gifやっぱり阿弥陀さん
岐阜唯一の真宗興正派のお寺のご住職"しゅうきょう"さんのつれづれなるまま・・・。視野の広いおはなしです。

by e.wash-r | 2004-10-23 00:00 | Comments(0)