遠くて近い吉野のお念仏
遠くて近い吉野のお念仏_b0029488_0431599.jpg
紀ノ川下流より望む吉野


ご法事の仏間。黒衣に着替えていると、ボクのすぐ向かいで、厳つい礼服姿で正座していたNくんが話しかけてきました。

「先日、富田林に行ってきました。」

「エッ!ボク、2週間くらい前、富田林を過ぎたあたりで、大阪府警の覆面パトカーにスピード違反で捕まって、2万5千円の罰金払ったところなんやけど。」

武勇伝?で答えると、Nくんは笑って続けました。

「ヨメさんのひいおばあちゃんが104歳で亡くなったんで、お葬式に行ってきました。同じ親鸞さまのところだと思うんですが、お経の節が違っていてついていけなかったです・・・。コウショウ派って聞いたけど、同じですか。」

「同じやよ。興正派の本山と京都の本願寺はお隣さんで並んどって、仲良くしとる同じ浄土真宗やよ。お経の節は違うかもしれんね。」

Nくんのお嫁さんのお里は奈良吉野で、ひいおばあちゃんは富田林に住んでいらっしゃったんだそうです。お里の興正派のお寺さんがお葬式をつとめられたとのこと。

104歳という大往生に驚きましたし、吉野の話にもなんとなく親近感を覚えました。三木先生の勉強会の法友・奈良の興正派のN師やH師のことが思い浮かんだので、聞いてみました。

「どんなご院さんやった?」

「背が高くてごっつい感じで、色黒で坊主頭で・・・、あと、車がミニクーパーでした。」

たぶん、間違いなくH師です。
罰金払ってでも走り回っていると、ご縁がついてくるんですね。


次男坊で分家しているNくん家族とは、年に1回のお取り越しで顔を合わせるだけでしたが、昨年からは、長女のSちゃんと長男のKくんが、お寺の夏のお泊まり会・キッズサンガにも来てくれるようになりました。


まだ茅葺きだというお嫁さんのお里の家には、吉野のお念仏が染みこんでいるんだろうなあ。




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by e.wash-r | 2009-02-16 00:41 | ふるさと | Comments(0)
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