当寺の北、約2kmのところに、越切坂という小さな峠があります。
内陸で起きた地震としては最大級といわれる濃尾震災を引き起こした根尾谷断層線上の峠です。濃尾震災時の陥没痕が「越切坂断層崖」として保存されています。
その峠を越えた先のN村、T家のご法事。
当家も、おおかたの当家の親戚の方々も、そしてボクも、みな根尾谷断層上の住人です。ご法事のあと、お斎の席では、必然的に地震の話になりました。
「『つぶれた家から、ようよう外に出たら、周りの家もみんなへしゃけとった。うちだけやないと思うと、ホッとした。』いつもおじいがそう言っとった。」
「その話、わしもよう聞いた。」
「村の家はみんなつぶれたと聞いとる。」
「わしらみんな断層の真上に住んどるんやで、今度またきたら、しゃーないわなあ。」
云々。
Tさんの村の南、当寺の村でも、80戸のうち倒壊しなかったのは1戸だけ。当寺も、本堂、鐘楼、山門、庫裡、書院等、すべての伽藍が倒壊しています。
また、東のとなりのF村では、水田が陥没し、ほとんどが沼状になったしまったため、数十年の間、耕作不能であったとも聞いています。
1989年の直下型大地震から120年、当地でこうして和やかに法事が営まれているということ、幾重にも有り難いことです。励みにしたいですね。
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