第十二回目の黄鐘会。梅雨明け初日、予想以上のうだるような暑さの夏座でした。
お取り次ぎは、佐賀の塚本慈顕師。高座のお説教です。
当寺では、高座のことを「おこざ」と言い習わしてきましたので、今回の法座は、「おこざのお説教」とみなさんにご案内していました。
2009年の5月、正尊寺さんの真宗講座で聞いた塚本慈顕師のお取り次ぎのことを、ボクは深く心にとどめています。ご法話の内容は忘れてしまったことがほとんどですが、あの日、塚本先生のお話とお聴聞の方々と本堂のお荘厳のなかで生まれたあの場は、まさに宗教空間だったと思っています。
このような書き方をすると、どこか狂信的な臭いがするようでもあるし、他のお座は宗教空間ではないのかということになってしまいそうで、表現に困るのですが、あのときボクは、聖と俗のなかで真宗が築いてきた世界のひとつに触れたようで、とてもうれしかったのです。
いつか当寺でも、この世界を味わってみたいとずっと思っていました。そんな思い入れで、なんとかこぎ着けたのが今回の法座です。
コンクリートの本堂、奥行きのない空間。物理的な状況の違いはどうすることもできないので、「おこざ」のお説教の雰囲気作りには苦労しました。ボクの中では、「おこざ」に座られたご講師の目線と椅子に座ってお聴聞される方々の目線の位置関係に最大の配慮をしたつもりです。(塚本先生に、その雰囲気をお尋ねしたかったのですが、聞き忘れました。残念!)
塚本先生の完成された圧巻のお説教。存分に真宗の宗教空間を体感させていただきました。ボクは、当寺の黄鐘会で、ご門徒さんと一緒にその空間を味わえたこと、むちゃくちゃうれしく思っています。
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