すこしは役に立ったかな?
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毎月一日の夜は、消防団の会合です。激しい雪が降り積もるなか、仕事を終えた団員が詰め所に集まってきました。

火災訓練のこと、村のボタ焼のことなど打合せを終え、いつもなら、飲みに出かけるパターンですが、外は猛吹雪です。今日はおとなしく帰ろうかといった雰囲気になったとき、仕事で会議に間に合わなかった副団長から、電話がはいりました。

「今、H地区で、Nさんの車が雪で滑って県道から落ちかけとる。」

みんなで、雪よけのために火災用の銀色の防火服とヘルメットを着用して、吹雪の中をカッコヨク出動しました。雪にまみれ、10人ほどの防火服の団員が、車を持ち上げている様は、圧巻かつ異様だったと思います。あっという間に車を救出して、寒い寒いといいながらも、みんなうれしそうです。ボクもちょっとワクワクして楽しかったです。

人間、すこしは役に立ったかなと思えるくらいの時、適度の満足感に浸れるみたいです。

ふと、考えました。坊さんが適度の満足を求めたらどうなるだろう。

救いの主はほとけさまだから、坊さんの手柄なんてひとつもありません
なのに、どこかで自分も役に立っているという実感を求めてはいないだろうか。「すこしは役に立ちたい。」と思い、そしてその場所をどこかに求め探し、ほんの少し役に立ったとき、それを自らの正義と満足してはいないだろうか。

もしそういう坊さんがいたら、消防団に入ったらいいと思います。人手不足だから、きっと歓迎されると思います。ほんとうは、災害等、深刻な事態に直面したときのことを思うと、正直、とっても、気の重いものではありますが・・・。

適度の満足を楽しみながら、ほんとうの満足を楽しめる坊さんになりたいなあ。
ほんとうの満足、それが問題!



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すこしは役に立ったかな?_b0029488_22514638.gif『西蔵坊だより』は、 森鏡山 正蓮寺の住職の日記です。
仏教のこと、山や川や海のこと、TIBETのこと等、思いつくまま書いています。
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by e.wash-r | 2005-02-02 00:01 | 遊びをせんとや生れけむ | Comments(0)
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