紫衣と日本刀 -『夢みとんさるやね』-
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母方の曽祖父は、浄土宗の僧侶でした。志願して日露戦争に行き、いわゆる二百三高地の戦いで頭部に銃弾を受け、生死をさまよった後、奇跡的に帰還した軍人でもありました。

その、複雑な生涯は、大前風著『夢みとんさるやね ー紫衣と日本刀ー』という物語にもなっています。(この物語に関連し、戦争の記録として、また人間の記録として、ボクが聞いたことで書き残しておきたい思うことがたくさんあるので、そのあたりは、いずれ折を見てlogに残そうと思っています。)

その曾祖父母のそれぞれ四十三回忌、五十回忌を、当寺にて、母が中心になってつとめることになり、曽祖父が最後に住職をつとめた立音寺の門徒さん、母のいとこ・姉妹が、当寺に参集されました。

理由を聞きませんでしたが、赤い衣で勤めてほしいという申し出。言われるままに赤い衣で無量寿経のおつとめをしました。参拝者は、みな八十歳前後。お勤めのあと、昔の盆か正月、祭りの日のような、懐かしいい語らいが延々と続きました。

ほとけさまの縁で、人が寄る。法事はいいね、と心底思う時間でした。


偶々ですが、浄土宗立音寺のご門徒さん以外は、全員、臨済宗、曹洞宗の檀家さんです。そのことは、おおよそ承知していたので、お勤めのあと、他力を丁寧にお取次ぎしました。


本願寺勧学の宮地廓慧和上は、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を読まれ、「蜘蛛の糸でカンダタは救われるのだろうか?」という疑問をもたれ、『蜘蛛の糸の』の続きの物語をつくられます。

先日、美濃四十八座・光圓寺真宗講座にて、安方先生から、その『蜘蛛の糸 完結編 浄土に救われたカンダタ』の物語を聞きました。有り難いお話でした。


お取り次ぎは、聞いたばかりの『蜘蛛の糸 完結編 浄土に救われたカンダタ』をそのまま。

曽祖父・釋政範師もよろこばれた阿弥陀さまのお話しです。立音寺の門徒さんは、政範師から聞いた阿弥陀さまのお話しだと頷いていらっしゃいました。おじやおばたちは、こんな話はじめて聞いた、と衝撃を受けているようでした。

こどものころ、最もボクの面倒見てくれた(B型の)おばは、すこしイジワルに「あのきかん坊のMちゃんがこんな話するようになったんやね。最後、どうやって話を納めるのかと興味津々で聞いていたわ。」と。

たぶん、すべてを引き受けるというお慈悲のお心が、意外だったのだと思います。「どうやって話を納めるのか。」、つまり「どうやっても救われない者(カンダタ、ひいては私)が、一体どうやって救われるのか?」というおばの懐疑は、おばのことばで言うなら「そう来るか。」と納まってしまったようでした。


懐かしい話もできたし、おたがい近況も話せたし、ご法義の話もできたし、ほんとうにいいご法事でした。「もう次はないね。」と弱気なことをいっているおじやおばをみて、”また集めてやろう”という気満々になっています。





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by e.wash-r | 2018-05-18 20:59 | ふるさと | Comments(0)
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