K寺ご住職から、中学の同級生Xくんの葬儀諷経の依頼がありました。当家より、”同級生のワシオカさん”にいっしょにおつとめしてほしい、というお話があったそうです。
控え目で無口だったXくん。中学を卒業してから40年以上会っていませんでした。
葬儀場で、初めてお会いしたお父さんが、「ワシオカさんですね。息子がよくワシオカさんのことを話していました。よろしくお願いします。」とおっしゃいました。
あの無口なXくんは、何を話していたんだろう?Xくんが、イヤな思いをしたことはなかっただろうか?と、頭の中は、グルグル回りっぱなしです。
小柄だったけど、すごく力があって、腕相撲ではクラスのヒーローだったXくん。勝っても、何事もなかったように何も喋らなかった・・・。
そんなXくんの強烈な記憶を、お父さんにお伝えしようと思いました。
お見送りしたあと、なんとなく思い立って、中学校へ行ってみました。通学路だった柿畑から、フェンス越しに、夏休みで人の気配のない中学を眺めました。
中学、全然楽しくなかったし、好きじゃなかったですが、なぜか懐かしかったです。
会いたい人には、会いたいときにちゃんと会わないといけないと、こういうとき、いつも思います。
秋の虫が鳴きはじめました。
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