日曜学校発祥の寺、浄土宗・西円寺を訪ねて青海島へ。
青海島は、『鯨』と『夏みかん』の島であり、「村中の老若男女、一人も残らず日課念仏を誓受し、田うつにも、薪こるにも、菜つみ、水くみ、網ひき、釣をたるるにも、念仏せざるものなく」といわれるほどの『お念仏』の島でもあります。
安永8年(1779年)、西円寺・法岸上人が、お寺にこどもを集めてはじめた小児念仏会(こどもねんぶつえ)は、世界で最初の日曜学校と言われています。法岸上人は、こどもたちに、法話や童話を聞かせ、お念仏を勧められたのだそうです。
若いご院さんから伺った昔の西円寺のお話です。
寺にやってきたこどもたちは、阿弥陀さまの前に座り、お線香を立て、お念仏を唱えます。お線香が消えるまで唱え続け、唱え終わると、お供えしてある御菓子やおにぎりをおさがりとしていただくことができるのです。
阿弥陀さまのまえには、いつも御菓子やおにぎりがお供えしてあったそうです。
競うようにして本堂にあがり、気もそぞろにお念仏を唱え、唱え終わるやいなや阿弥陀さまの前のおにぎりに手を伸ばすこどもたちの姿が、自分の姿と重なって目に浮かびます。
おにぎりめあてのお念仏だったかも知れませんが、阿弥陀さまの慈愛のなかのできごとです。信仰は、理屈ではなく、手を合わせ、お念仏するところにはじまるということをあらためて知らされました。こどものころ、境内で遊ぶボクたちに、いつも、懐から駄菓子をだして食べさせてくれた祖母を思い出しました。どうも、頭でっかちになりがちな自分を反省したことです。
一緒に旅をしたのは、H氏とボクをのぞけば、本願寺の日曜学校の理事長さんや岐阜の日曜学校の歴代の委員長さん、副委員長さん方です。きっと、お寺で遊ぶこどもたちの姿、日曜学校の原点を思い浮かべていらっしゃったと思います。
青海島は、お母さんのおなかの中にいるときから、お念仏を聞いて育つとまでいわれる土地柄です。豊饒の島でした。
◆ 先崎・青海島の詳細は長門市HP『みすゞのふるさと仙崎』に詳しく載っています。
ご一読をおすすめします。
当blogでも、一部引用させていただきました。
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『西蔵坊だより』は、 森鏡山 正蓮寺の住職の日記です。
仏教のこと、山や川や海のこと、TIBETのこと等、思いつくまま書いています。
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