夜の街へ。
仏教の話がしたいという。
弩級の天才たちである。
いきなり、龍樹の空についての問い。
なんとか他力の土俵に持ち込み、逃げる。
成り行きで、Nが門徒になりたいという。
いいね、と答えた。
いつの間にか、防衛論になる。
軍人は理系だ、そもそも論理的思考をするものだという話になる。
シビリアンコントロールこそが危ういのだ、と。
みんな根性論が苦手だ。
機械工学博士Nが無呼吸症候群の権威(耳鼻咽喉科)Sに問う。
天才たちである。
「鼻くそはどのようにできるのだ?」
「内的要因と外的要因がある。」
「なぜ食べる者がいるのだ?」
「個性だ。」
「そういう意味の問いではない。なぜ鼻くそは、食べるに値する味になる必要があるのだ?」
・・・ついていけない。
家族の話になる。
企業戦士Kが認知症の親を語る。
みな、介護相当の親がいる。
成長期のこどもがいる。
娑婆の話である。
また会おうと約束をして別れた。
土曜の夜の街は、そこそこ若者で賑わっている。
こんな土曜の夜の街で、おっさんたちは鼻くその話。
Nは、生きるということは不思議だと言っていた。
ボクもつくづくそう思う。
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