Y家27回忌ご法事。
いつものように、仏間に面した縁に手洗い桶と手ぬぐい。いつもと違うのは、そこにアルコール消毒液があること。
26年前のおばあちゃんのご葬儀の日のことをよく憶えています。天気の良い日でした。建具が全部外された屋敷。仏間は親族で、外は縁者でいっぱいでした。
小さな村は、たぶんほぼ全員がまる二日、ある意味のんびりとお葬式モードだったと思います。
Yさんがその頃のことをうれしそうに話されました。
村は家族のようだったそうです。みんなで、こどもや孫たちの世話をしていた、毎日が、寄り合いだったと。
そんな昔話に、奥さんが涙ぐんでえました。
コロナ自粛ばかりでなく、お付き合いが疎になってきたことが寂しいのだと思います。
Yさんは、土葬が火葬になり、その頃から一気に変わってしまった、とおっしゃいます。
たまたま夜のおまいりで、よく似た話を聞きました。
自治会のことと村の宗教儀礼のことは別という風潮がある。住人の移動があり、多様な価値観の集合体の新しい町ならともかく、昔からの景色も住んでいる人も変わらない田舎では、行政のことも田んぼのこともお宮さんのこともみな同じ村のこと。自治会のこととその他のことを分けることは意味がない、と。
責任を追求すれば厳密にならざるを得ません。そう思うと、おおらかさ、時に曖昧さは大事ですよね。