web法話 『靖国からの還浄①』 瑞穂市・善徳寺 藤村真樹
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【テキスト】

web法話 『靖国からの還浄①』 瑞穂市・善徳寺 藤村真樹

版お国のために死んだ戦没者を、国がお祀りするのは当たり前。戦争で死んだ人のお墓を国が責任を持って作ってあげる。そのお墓が靖国神社と考えればいいのに、本願寺のお坊さんは、なんで靖国神社に反対ばかりするのかよくわかりません。
 今でも結構多くの方から聞かされますし、以前の私もそんな思いを持っていました。
 ただ単純に、なぜ靖国神社という神社であって、阿弥陀さまでないのか、お念仏を申せない場ではイカンという思いはありました。
 しかしながら、あまり深く考えなかった私にとって転機となったのは、「靖国神社には、広島・長崎の原爆で亡くなった人々は祀られていない」という現実を知らされた時でした。
 調べてみると、広島・長崎で死んだ軍人さん達は全部祀られているが、原爆で死んだ子供もお年寄りも、女性も民間人は祀られていません。同様に、二十万人以上が亡くなられた沖縄戦や、大都市の空襲など亡くなられた大多数を占める老若男女の人々は、靖国神社には祀られていないのです。
 そこには、同じ戦争で死んだ人々を、一方では「英霊・神」として靖国神社に祀り、一方では単なる戦争犠牲者とし英霊や神になれない死者として選別され、靖国神社には祀られない悲しい存在として裁かれてきたのです。
広島の原爆で死んでいった大勢の子ども達や、沖縄の地上戦で逃げ場がなくなり、自ら命を海に投げていったお年寄りや住民達、望む望まざるに関係なく否応なく戦争に巻き込まれ、命を落としていった人達は、靖国神社に祀られている方の何倍もの数の人達があるのです。
 その人たちは、国がおこした戦争によって死んだ つまり、お国によって殺された方々なのです。言い方を変えれば、お国のために死んだのではなく、お国のために殺されたと云えます。
 その事実に気づかされる時、「お国のために死んだ人を、お国が祀る」という言葉は、絶対受け入れられないものなのです。



*月曜更新が、遅れてしまいました。藤村さん、申し訳ありません。




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web法話 『靖国からの還浄①』 瑞穂市・善徳寺 藤村真樹_b0029488_22514638.gif『西蔵坊だより』は、 森鏡山 正蓮寺の住職の日記です。
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by e.wash-r | 2005-09-19 00:01 | Comments(0)
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