美濃・尾張を往く -冬の木曽川-
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2日つづけて、木曽川を渡って愛知県までおまいりに行きました。
15年くらい前のちょうど今頃、冬の木曽川の思い出。

サツキマスの遡上の追跡調査に続いて、サツキマス(銀毛アマゴ)の降海の調査を手伝ったことがあります。もちろん、親方はニイムラさんです。詳しいことは忘れましたが、関連して、当時の建設省のデータとは別に、長良川と木曽川の渇水期の流量も調べようということになりました。

ある研究機関から借りてきた高価な流速計を持って、ミクマック450というカナディアンカヌーに乗り込み、調査開始。流心に漕ぎ出し、カヌーをアンカーで固定したところまではよかったのですが・・・。

思ったより強い流れに応えて、回頭性能がいいといわれるミクマック450がローリングし始め、なすすべもなくあっという間に転覆。ボクたちは、12月の木曽川に放り出されました。

とっさのことでしたが、責任感のある?ボクは、冷たい水の中で、沈んでゆく流速計(数㎏の鉄の重りがついている。)をつかみました。流速計といっしょに、ボクはゆっくり、ほんとうにゆっくり沈みはじめました。

明るい水面を上に見ながら、ゆっくり冷たい水の中を沈んでいく恐怖。たぶん、数秒のことだったのだと思いますが、このままでは死ぬと思いました。

無責任に流速計を手放した後は、靴を脱ぎ、ただ必死で岸に向かって泳ぎました。はっきり憶えていませんが、もう一度泳いで、気力で何とかカヌーを回収し、その後、濡れた衣服を脱いで、裸のまま、岸の石ころにへばりついて微かな暖をとった記憶です。

裸のニイムラさんとアサミさんとボクの3人は、猛烈に震えながら、とっても惨めな気分で呆然と流速計が沈んだ水面を眺めました。遠くには、冠雪した伊吹山が見えていました。

なかなかヒーターの効かないジムニーに、やはり裸のまま3人乗って敗走。端から見たら鬼気迫る異様な車だっただろうと想像します。

その後、ドライスーツに着替えたニイムラさんが、無事、水底の流速計を回収し、一件落着。ただし、泳ぐのに邪魔になって脱いだ靴は、行方不明のままです。



当地の布教使さんがよく使うダジャレ???

お浄土は木曽川のあたりにあるらしい。
この身のおわりに往くところと言うではないか。

たしかに木曽川は、美濃・尾張の国境を流れてはいますが・・・。




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by e.wash-r | 2005-12-17 00:35 | 溺レル | Comments(0)
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