最近、日本茶といえば緑茶のことをさすような風潮です。
自宅以外でお茶をいただく場合、麦茶や玄米茶を除けば、9割がたが緑色、または黄色をしているような気がします。
M家のご法事で、お茶の話になりました。
昔はどの家にもお茶の木があり、刈り込んで、蒸して、干して、たくさんの番茶を作りました。
「一年分のお茶のほかに、棺おけに入れる分まで作ったものだ」と、M家の長老のお話。
防腐防臭のために、お棺の底に番茶を敷き詰めたのです。
ボクにも記憶があるので、風習としてはつい最近まで残っていたと思います。
夏の暑い日の学校帰り、T君の家に寄り、茶釜のお茶をひしゃくで汲んで飲みました。
薄暗い土間には、朝沸かした煮出したお茶が、いつもありました。
番茶やほうじ茶は、どこか懐かしい味となってしまいました。
気取った緑茶もいいですが、やっぱり茶色いお茶はいいですよねえ。
また口先だけですが、久しぶりに番茶を作ってみたい気分ではあります。
2006/5/28
2005/5/28