口が悪い人がいます。内心はそうでもないのに。
たぶん、70を越えたHさんはそう言うタイプです。
「照れ屋さん」とも言います。(M先生もそうかも知れない。)
仏間にはいるといきなり、
「ご院さん、お経は省略でイイで、ゆっくり話ししよまい。」
つぎに、
「おふくろはよくお寺参りしたけど、ボクは手を合わせることもお寺もキライやで。」
果ては、
「ご院さんも、柳ヶ瀬(岐阜の歓楽街)好きかね。お寺のお金使いこんどらへんやろうねえ。坊主はコレ(小指を立てて)が好きなもんやで。だいたいお酒は女の子がおらんかったら飲む気にならん。ご院さんもそうやろ?」
「ボクはお酒は飲めないけど、柳ヶ瀬には時々行きます。女の子といっしょに飲むお酒がいいという気持ちも、よーくわかります。」
そう答えながら、衣を着替え袈裟を着け、お取り越しのおつとめをはじめました。
後ろから、お正信偈が聞こえてきます。
ボクのお取り次ぎを、正座してお聴聞するHさん。
御文章の拝読をはじめると、両手をついて、頭を額が畳に触れるほど下げられました。
恐るべし、報恩講750年の伝統・Hさんのお母さんの後ろ姿。
"染みついた徳をないがしろにしているのは、実はボーズの方ではないのかい?"と、Hさんに言われているような気がしました。
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『西蔵坊だより』は、 森鏡山 正蓮寺の住職の日記です。
仏教のこと、山や川や海のこと、TIBETのこと等、思いつくまま書いています。
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