I AM LEGEND  -勘違い伝説-

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昨年の暮れ、こどもに誘われ『I AM LEGEND』を観ました。

TVCMを見た限りでは、ひとりぼっちになった男のほのぼのとした映画だと思っていたので、思いもよらなかった激しい展開に少々面食らいました。

1ヶ月経って、netで確認したりして、やっと気になっていたことの整理ができたので、映画を観ての感想を少し。


I AM LEGEND  -勘違い伝説-_b0029488_1362323.jpg原作は、リチャード・マシスンのSF小説『I AM LEGEND』(邦題『吸血鬼 (地球最後の男)』です。

原作の"I am legend"の意味は、ウイルスに冒された人々の社会にとって、ひとり未感染の旧人類の主人公・ネヴィルは、"もはや伝説の怪物だ"という意味らしいです。

子どもの頃読んで、いまだ鮮烈な印象が残っている藤子・F・不二雄のSF短編マンガ『流血鬼』が、マシスンの原作をモチーフにしていることを知り、納得しました。

価値(例えば善と悪)は主観の基準に依るということがテーマなんだと思います。吸血鬼と闘う人間は、流血鬼とも言えるのです。


原作や『流血鬼』の苦悩を離れ、映画の主人公・ネヴィルは、基本的には、ウイルスの感染から人類を救った"伝説のHIRO"みたいになっています。それはそれで、娯楽映画の王道であり、この映画の特質として異論はありません。

ただ、冒頭のシーンの意図は何なんだろうと、なんとなく引っかかっています。

『人間の血管をハイウエイだとします。新しい治療は、たとえばハイウエイを暴走する車を全部警察の車に変えるということです。』というような説明をする学者。この治療法が原因で、新しいウイルスが蔓延し、人を変えていきます。

一元的な価値観が、悲劇を招いたと言いたいようでもあるし・・・。
それなら、原作に忠実なような気もするし・・・。

アメリカって不思議な国だなあ。



ストーリーはともかく、荒れ果てたNYのCGを観るだけで十分満足できる映画だと思います。
それと、ウイル・スミスはニイムラさんに似ていると思います。





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I AM LEGEND  -勘違い伝説-_b0029488_22514638.gif『西蔵坊だより』は、 森鏡山 正蓮寺の住職の日記です。
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by e.wash-r | 2008-01-08 00:13 | 溺レル | Comments(0)
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