H地区のご法事。
黒野と呼ばれるほど肥沃な黒土のH地区は、果樹園と畑地の中に農家が点在しています。村の中の細い道は、果樹や垣根の壁で仕切られ、見通しの悪い迷路のようです。
午後2時、ご法事を終えた帰路、見通しの悪いその細い道の十字路。正面からはトラクター、左方からはおばさんの乗った乗用車、右方からは軽トラが、見事なタイミングでやって来ました。
車一台がやっと通れる道は、大渋滞となったわけです。
おたがい見えるのは、自分の正面の車の運転手のみという状況のなか、トラクターのおじさんが車を降りて、交通整理をはじめました。おかげで、たった4台の大渋滞は、それでも5分ほどを要してなんとか解消しました。
『8848メートルのラッシュアワー』という山際淳司さんのルポがあります。
1983年、ネパール側からエベレストの頂上めざしていた日本の山学同志会とイエティ同人の2隊、チベット側から頂上をめざしていたアメリカ隊の計10人の山男が、エベレスト山頂直下の山稜に揃った偶然。その偶然の前後を描いたのが『8848メートルのラッシュアワー』です。
偶然の先には、決まった結末があるわけではありません。
しかし、偶然は必然だったと言えるような気もします。
一瞬一瞬ボクたちは、立つべくしてその岐路にいるのでしょう。
自らを俯瞰するのではなく、岐路に立ち、阿弥陀さまの本願に遇えたことを慶ばれたのが、親鸞さまなのだと思います。
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『西蔵坊だより』は、 森鏡山 正蓮寺の住職の日記です。
仏教のこと、山や川や海のこと、TIBETのこと等、思いつくまま書いています。
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